君の笑顔と青空と
「え、あ……やっ、何でもない!気にせんといて!」
「そう?……まぁええけど」
「ね、ねえ菜緒」
ん?と梨子に聞き返すと、手を引っ張られた。
「なに?」
「男子って、染めてない黒髪の方が好きなんかな?」
真剣な眼差しで言ってくるから、思わず口元を手で押さえる。
「どしたん梨子。まさか好きな人おるん?」
みるみる梨子の顔は赤く染まり始めた。
冗談で言ったつもりだったのに、梨子の反応は予想外で口を大きく開けて「えっ!?」と言ってしまった。
「ほんまなん?」
「まぁ、一応は……な」
照れる梨子に、何だか嬉しくなってきた。