君の笑顔と青空と
翌日。
風鈴の音を聞きながら支度を終え、いつもの待ち合わせ場所に着くと、森口は今日もヘッドホンを耳に掛けていた。
待ち合わせ来るの早いな……。
私が遅いのかもしれないけど。
通学路が偶然同じだったから一緒に通うようにはなったけれど、今まで私が先に着いたことなんてあったっけ。
「森口ー」
名前を呼んでみると、森口が顔を上げて私を見た。
「あれ、聞こえてるやん?」
「おはよう。今何も聞いてへんから」
そう言ってヘッドホンを首に下ろす。
「ふーん。なぁ森口」
「何?」
「いっつも何分にここ来てる?なんか早ない?」
何も気にしていなかったけど、私が遅れているのは事実。
待たせてるのは悪いし気分だってよくない。
でも森口はきょとんとして、そうか?と首を傾げる。