君の笑顔と青空と
そうかって……。
待ってるの、気にしていなかったんだ。
呑気に話を振ってくる森口に、短いため息が零れた。
*
3階の渡り廊下。
ここは、私のお気に入りの場所。
生ぬるい風が体に当たるときが凄く涼しい。
夏頃は汗をかきやすいから、昼間の風が心地いいんだ。
こんな暑い中でも、ここから見える広いグラウンドには男子が数名いる。
部活だから仕方ないだろうけど、ボールを蹴りながら楽しそうにはしゃいでいる。
「何や作倉。今日も見てるんか、ラブラブやなー」
背後の声にビクッと肩を小さく震わせ振り返る。
白いバッシュ、水色のパンツ、バスケットボールのプリントされた黒いTシャツ姿の増井が、ボールを片手に近づいてきた。