君の笑顔と青空と



そうかって……。


待ってるの、気にしていなかったんだ。


呑気に話を振ってくる森口に、短いため息が零れた。







3階の渡り廊下。


ここは、私のお気に入りの場所。

生ぬるい風が体に当たるときが凄く涼しい。



夏頃は汗をかきやすいから、昼間の風が心地いいんだ。


こんな暑い中でも、ここから見える広いグラウンドには男子が数名いる。



部活だから仕方ないだろうけど、ボールを蹴りながら楽しそうにはしゃいでいる。



「何や作倉。今日も見てるんか、ラブラブやなー」



背後の声にビクッと肩を小さく震わせ振り返る。


白いバッシュ、水色のパンツ、バスケットボールのプリントされた黒いTシャツ姿の増井が、ボールを片手に近づいてきた。



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