君の笑顔と青空と
身長が平均より少し高い増井は、髪型のせいもあって部活着がよく似合ってる。
「ラブラブちゃうし。美紗は?」
「今休憩中。お、やっとるやっとる」
増井は渡り廊下の手すりに右肘を置いてグラウンドを見下ろす。
その時、部室から景谷の出てくる姿が見えた。
「あ、景谷」
「なんやあいつ。ユニフォーム似合いすぎやろ」
せこいわ、なんて言いながら口を尖らせる増井にプッと笑ってしまった。
「あんたも似合てるやん、スポーツ少年」
「まじ?美紗の奴にはチャラ男にしか見えん言われたで」
「ああ確かに」
「そこフォローしようや!」
「こらぁ!凌駕!休憩中やからて抜け出すな言うたやろ!」
まるでよく怒鳴るオバチャンみたいに図太い声でやってきたのは、増井と同じ黒いTシャツにオレンジのパンツを履いた美紗。