君の笑顔と青空と
いつも思うけれど、美紗は本当にかっこいい。
部活着を着てると、そこらへんの男の子にも十分勝ると思う。
右手首に付けたリストバンドには『男気少女』なんて殴り書きがあるくらいだから。
「ええやん。ずーっと体育館なんかおったら熱中症で死ぬやろ」
「アホ!んなんで死ぬか!菜緒また森口待ち?」
増井への接し方とは、まるで異なった優しい声で聞いてくる美紗。
「う、うん。まぁね……ははは」
「大変やねぇ。ほんま男って足りんよね」
美紗の言葉に増井は「はぁ!?」と眉間に皺を寄せる。
「男を敵に回すとどうなるか分かってんのか!」
「知らんわ!いつでもかかって来いや!」
「ちょっと二人ともっ……」
どうしてこうなるかなぁ?
そう思いながら、2人の言い合いに苦笑いするしかなかった。