君の笑顔と青空と



いつも思うけれど、美紗は本当にかっこいい。


部活着を着てると、そこらへんの男の子にも十分勝ると思う。


右手首に付けたリストバンドには『男気少女』なんて殴り書きがあるくらいだから。



「ええやん。ずーっと体育館なんかおったら熱中症で死ぬやろ」


「アホ!んなんで死ぬか!菜緒また森口待ち?」



増井への接し方とは、まるで異なった優しい声で聞いてくる美紗。



「う、うん。まぁね……ははは」


「大変やねぇ。ほんま男って足りんよね」



美紗の言葉に増井は「はぁ!?」と眉間に皺を寄せる。



「男を敵に回すとどうなるか分かってんのか!」


「知らんわ!いつでもかかって来いや!」


「ちょっと二人ともっ……」



どうしてこうなるかなぁ?



そう思いながら、2人の言い合いに苦笑いするしかなかった。



< 26 / 39 >

この作品をシェア

pagetop