君の笑顔と青空と
「お疲れ様!」
部活終了のチャイムが鳴る午後7時15分。
部室から出てきた森口と景谷にタオルを渡す。
「サンキュ。相変わらず可愛い子ぶったタオルやな」
森口が言った。
確かに、白いタオルに可愛らしいピンクの"うさぎ"や"くま"の絵があるけど、家にあるものだから仕方ない。
「可愛い子ぶってへんわ。タオルが可愛いだけやし」
「……俺のめっちゃ怖いけど?」
そう言って景谷はタオルを気味悪そうに見る。
怖いなんてあり得ない!
緑色のデフォルメされたクマ、通称"ベア"は今どき女子の間で人気なキャラクターなのに。
やっぱり、ホラーを思わせる背景がいけないんだろう。