君の笑顔と青空と
第3章 夏のお祭り



「……はぁ」



夏休み前の最後の試験が終わった。



勉強が苦手な私は、知識的な国語以外全く分からなかった。



屈んで花壇の水をやりながら、もう一度ため息をついた。



「珍しい。作倉がため息ついとる」



背後から聞こえた透き通った声にムッとする。



「私だって悩みの1つや2つあるねん」



そう言って、感情のない表情をした景谷を睨む。


本当に何考えてるのか分からないやつ。



「テストやろ」


「そ……もう挫けそう。ええよなぁ、景谷は頭よくて」



容姿端麗、運動神経抜群、頭脳明晰……。


景谷って何なんだろ。人間なの?


いや、もしかしたら人間じゃないかも知れない。


だって、こんな完璧な人がこの世に存在する?



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