君の笑顔と青空と



夏休みまで後3日。


テストは結局、国語以外が悲惨なものだった。


後で聞くと、景谷は苦手な物理も勉強したおかげか前回のテストの倍を取っていた。


何時間勉強してるんだろ……。


昼食のパンを片手に食堂を出て教室へ帰っていると、人気の少ない廊下から聞き覚えのある声が聞こえてきた。



「これ友達と撮ったんやけど、何か写ってんねん」


「どれ?……ほんまや、幽霊か?」


「え!いやや、そんなん!」



あの声は……森口と、梨子?


2人の声が聞こえる廊下をそっと覗く。



すると森口と梨子が廊下の窓に寄りかかって携帯電話を見つめているのが見えた。


何でこんなところに?



「森口、幽霊って信じる?」



私がいることには2人共気づいていないようで、梨子が続けた。



「おるんちゃう?津田の後ろとか」


「へっ!?嘘!!」



勢いよく窓を離れ振り返る梨子に、森口は笑いながら「反応しすぎやろ」と言った。



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