君の笑顔と青空と
けれど、怯まず舌を出して対抗。
すると呆れたのか、森口はため息をついてヘッドホンを外す。
「女の恨みは恐いわ」
「恨みちゃうし!森口が返事しーひんからやもん!」
「聞こえんかったんやて」
「どうせまた大音量で音楽聴いてたんやろ!今日は何の歌……」
何を聴いていたのか見てやろうと携帯の画面をタッチすると、現れたのは教室の風景と複数の生徒たち。
再生ボタンを押そうとして、森口に「やめろっ」と携帯を取られる。
「なに今の、動画?」
「別に、何でもええやん……」
眉間に深い皺を寄せ私を睨む森口に、それ以上聞く言葉が見つからなかった。