永遠の幸せを
「・・・」



白衣の裾を翻して、私の前に立つ諏訪部先生。
吸いかけの煙草の携帯用の灰皿に捨て、白衣のポケットに仕舞う。


青い空の下で見る彼の白衣姿に再び、胸が大きく弾む。



私はスーツの襟元をギュッと掴んで、静まれと心の中で呟く。



「どうした?胸が苦しいのか?診てやろうか??」


首にぶら下げた聴診器の先端を私に向ける。


「ほら、ブラウスのボタンを外しなよ」



「あ、貴方何言ってるのよ!」



「…冗談だ…」



「うっ」


真に受けた私は馬鹿だと自己嫌悪する。






< 16 / 258 >

この作品をシェア

pagetop