永遠の幸せを
《19》亡き恋人のメッセージ

ー圭吾side-

潤子はショックのあまりにぼんやりとしていた。



「…何か飲むか?潤子」



俺は潤子をソファに座らせて、冷蔵庫を開ける。




「私…知っているんだよ…」



「んっ?」



俺は潤子の言葉を訊きながら、ミネラルウォーターのペットボトルを出した。




「私と兄貴って血が繋がっていないんでしょ?」



「・・・」



潤子と俺は血が繋がっていない。



潤子は父の親友夫婦の娘だった。



親友夫婦は交通事故死。


父が預かっていた潤子だけが取り残された。天外孤独だった新夫婦。

このままでは施設行きになってしまう…潤子を養女として引き取った。

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