永遠の幸せを
「・・・」



俺はスマホを操作して…俺の残した春日井教授の潤子に宛てたメールを見せる。




「…これは春日井助教授がお前に宛てた最後のメールだ…お前がもし、子供を産んで…子育てに迷った時…俺を介して見せてくれと書かれていた…」



春日井助教授は潤子にメッセージを送っていた。



病で徐々に記憶を失っていく恐怖と絶望の中。


彼は綴った…



文字変換は所々…間違っているが…彼の中にまだ…潤子の存在は残されていた。




ーーーーーー



俺は君をわすれたくない。


でも、病が俺の頭の中を空っぽにしていく。


君が子供を産みたいキモチはわかる。


俺も自分の子供がこの目で見たい。


今の医学では治せない病だ。


全てを失う前に俺は自分の命を絶つ。

身勝手な俺を許してくれ。


もし、俺の子供を一人で育て、苦しい時…


子の中に居る俺を探してくれ。


俺はいつでも子の中に息づき、お前を見守っている。


でも、潤子は潤子だ。


俺に縛られるな…


お前の人生を歩んでくれ。


ーーーーーーー







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