永遠の幸せを

ー圭吾sideー

「雪か…」



新は退院した。


俺は窓の外を眺め、ちらつく粉雪を見つめる。




「…内閣不信任案が可決されたらしい。春先には総選挙だな」



比呂斗の言葉が背中越しに訊こえた。




一つ…また時代が動き始める。




赤ちゃんはお腹の中で両手の中にたくさんの幸福を握り締めている。


誕生した瞬間、両手を広げて一度はその幸福を手離す。



そして、再び、その幸福を手にする為に生きていく…



指を差し出せば、握り返す小さな明都の手。


君は家族の幸せの象徴だ…

俺は永遠の幸せをずっと祈っている…。



  END




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