永遠の幸せを
私は彼の白のBMの助手席に乗った。



彼はドアをバタンと閉め、運転席へと乗り込んでくる。



「…あのう」


「何?」



「いえ」



彼は弁護士の資格を持ち、椎名家の当主の孫の中では一番のエリート。

父親の会社・家具メーカー『シーナ』を弟に任せて…政界の道に入ってきた。


長身で賢明な顔と雰囲気。

彼が私を見合い相手に選んだ理由は今一つ、わからなかった。



色んな思いを脳裏に巡らせてると妊娠の話をするタイミングを失ってしまった。



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