永遠の幸せを
「…お待たせしました」



「…ああ」



私はお見合いの話を断るつもりで来た。

議員秘書として忙しい彼。



彼のせっかくの休日の時間を無駄にはさせたくなかった。



「あのう…話があります」


「話?」


「はい」



「いいけど…外に出る?」



「はい」



私と彼は外に出て、建物の裏側に広がる白樺の小さな森に入った。



彼は右手を白樺にかけ、私の方に振り返った。



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