永遠の幸せを
私たちは遠出のデートを止めて、Uターンして東京に戻っていく。


「…ねぇ?美紅さん…良ければ…君の相手…どんな人か訊いていい?」



ずっと静かだった車内に椎名さんの声が響く。



「…妹の琉果の子供がお世話になっている…小児科の先生です」



「へぇーっ。ドクターか…君はソーマのMRだし、仕事の関係で知り合ったのかな?」



「はい…まぁ」



一晩だけの相手の圭吾を忘れられなくて…夢中で私は取引先を探し回った。


特別扱いが嫌で…桐生の姓を名乗らず…母の旧姓を名乗り…就職。


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