3秒小説
じゅうし



夜の山道をわたしは歩いていた。


すぐ後ろに、いる、とわかっていた。


振り向いてはいけない、ともわかっていた。









振り向いてしまった彼の、ちぎれた手首が、わたしの指を握りしめていた。

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