3秒小説
にひゃくじゅうきゅう


「あしあげるからうでくれよ」


そう書かれた手紙といっしょに、太ももの付け根から千切りとられた、血まみれの人間の両足が、 アパートの私の部屋のベランダに転がっていた。


手紙の終わりには、


「こんやうでくれよ」


と書かれていた。




もう夜だ。


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