ヤンキー君と異世界に行く。【完】
「……砂漠の民の集落が、城より近いな。
そこへ寄って、修理してみよう。
できるな、カミーユ」
「はあ、彼らが部品をゆずってくれれば……ですけど」
カミーユは困ったような顔で、自分のタブレットを取り出す。
「たしかに、城まで歩くのは難しいですね。道は険しいし、野宿をすれば獣に襲われるかもしれない地帯ですから……しかし」
「砂漠の民は、ランドミルの王族を嫌っているだろう。
ラス様のお命が危ない」
アレクがカミーユの言葉を引き継いだ。
「嫌われているんですか?」
「……自然破壊を、全て王族の責任とし、クーデターを企て失敗し、国を追われた一族だからな」
「じゃあ、ラスさんが行くとまずいんじゃ……」
仁菜の言葉に、ラスはシリウスから離れ、反論した。
「大丈夫だよ!シリウスが何か考えてくれるから!」
ね?とシリウスを振り返るラスは、いちいち可愛い。
シリウスはうなずき、彼の作戦を話しだした。