ヤンキー君と異世界に行く。【完】
アラビアンナイトな服に着替え、食事の席につく。
ラスの胸には、透けないようにたくさん詰め物をしておいた。
そして、自分の胸にも。
全員ラスしか見てないとしても、ちゃんとブラをするとしても、透けてしまうのは絶対にダメ。
(それにしても、おなかがスースーするなあ)
おへそが出ている衣装は、恥ずかしいやら風通しが良すぎるやらで、落ち着かない。
それどころか腕もデコルテも、背中も丸見え。
ちら、とラスを見る。
(……負けてるし!)
労働をしなくても良い身分のラスは、ゴツくない。
細身で無駄な脂肪がなく、筋肉がうっすらとついている。
当然おなかがぽっこりしてないし、二の腕もぷよぷよしてないし、背中のひもにお肉が乗ったりもしない。
仁菜も平均より体重は少ないけど、やっぱり脂肪の量は男のラスより少し多い。
「おいニーナ、せっかくだから喰えよ」
長老とその孫も一緒についた丸テーブルで、隣に座った颯が肉らしきものをすすめてくる。
クッキー状の携帯食に、精霊族のロハスなごはん。
それくらいしか、食べてないから、お肉……食べたいな。だけど。