ヤンキー君と異世界に行く。【完】
「みなさーん、修理終わりましたよー!」
仁菜が呼んでくると、一行は集落の入り口に集まった。
「早くここを出ましょう」
「そうだな、すぐ出発しよう」
カミーユが言うと、シリウスが同意する。
「一応長老にあいさつしておいた方が……」
仁菜が言いかけたところで、「待て!」と声がかかった。
振り向くと、そこには……長老とその孫たち、そして若い男たちが槍や剣といった武器を持って、集合していた。
(えっ、えっ?)
事態が飲み込めない仁菜を、颯が引き寄せ、自分とアレクの陰に隠した。
「あ……あら、皆様。
どーもありがとーございました。
修理が終わりましたので、私たちはこれで……」
さすがのラスも少し焦ったのか、早口で言う。
「待てぃ!」
長老が言うと、熊っぽい弟がラスの腕を捕まえた。
そして……
「あ、ああれえ~!おやめくださいまし~!」
シリウスが止める間もなく、ラスのウィッグと、アラビアンナイトな衣装のブラ部分が引きはがされてしまった。
当然現れるのは、ぺったんこな胸に、引き締まった腹筋。
「やっぱり!
その金髪に青い目は、ランドミル王家の特徴そのものじゃ!
女だと言われて、疑いもせんかったわい」