ヤンキー君と異世界に行く。【完】
「……行け」
残された3人の前で、ぼそりとシリウスが呟いた。
え?と颯が聞き返す。
「早く準備をして、夜の闇に紛れてここをたて。
砂漠の民も全員連れて、境界の川へ向かえ」
「な……何を言ってるんですか、シリウス……」
「いいから行け!
夜になるまで、ここには近づくな。
日が落ちると同時に出発しろ!」
シリウスは怒鳴ると、力づくで3人を部屋から押し出した。
「な、何がどうなってんだ?」
わけのわからない颯は、二人の大人を交互に見つめる。
「とにかく、ラス様が心配だ。
追いかけよう」
アレクがそう言い、カミーユと颯はそれに従った。