ヤンキー君と異世界に行く。【完】
初めて、男の子に告白されてしまった。
初めて、キス……されてしまった。
胸が痛いくらいにドキドキして、決して嫌がっていない自分に気づく。
「び……びっくりしたぁぁぁぁ……」
ラスを素敵な人だとは思うけれど、いきなりキスされてしまうとは思わなかったから、何よりもまず驚きが先に
立ってしまう。
(ふええん、明日からどんな顔してればいいわけ~?)
前向きに検討してって言われたって。
今は自分の気持ちさえよくわからないけど、いつかは返事をしなきゃいけないのだろうし。
まさか無視するわけにもいかないし。
(困った……嫌なわけじゃないけど、気まずい……)
どうすればいいのかわからないまま、仁菜は熱病に浮かされた人のごとく、ふらふらと自室に戻った。