ヤンキー君と異世界に行く。【完】
柄から刀身まで、まるで象牙でできているような純白の剣。
いつ現れたのか、颯にはわからなかった。
仁菜の両親も、驚いた顔で固まっている。
「……もしかして、『楔の聖剣』か……?」
この世界と異世界を分けていた、楔の聖剣。
颯に問いかけられると、剣は白い光を放つ。
まるで、「そうだ」と肯定しているようだった。
「えっと……どうすればいいんだ?
もしかして、あっちに連れて行ってくれるのか?」
白い光は、力を増す。
颯はそれを肯定と受け取り、その柄をゆっくりとにぎった。