【BL】君の描く世界
01 君の見るもの

僕には幼馴染がいる

その幼馴染、水谷 貢(みずや みつぐ)と出会ったのは僕たちが産まれた日

僕、水瀬 叶斗(みずせ かなと)と貢は同じ日に同じ病院で産まれたからだ

そんな僕たちは幼稚園も小学校も中学校も、そして高校も一緒

偶然ってあるもんだなと笑いあいながら入学してから早1年

僕たちは高校二年生になった

クラスも離れたことがない

「叶斗、帰ろう」


「うん」と答えようとした時、後ろからかけられた声

「叶斗また貢と帰んのかー。たまには俺と帰ろうぜー」

声の主は高校に入ってからの僕の1番仲が良い友達、柳 鷹幸(やなぎ たかゆき)だった

「ごめん、鷹。また今度一緒に帰ろう」

僕がこう言うと「絶対な」と言ってクシャリと頭を撫でて別の友達のもとへと向かう

本当はたまには鷹と帰りたいな、と思っている何て事はいつも迎えに来てくれる貢の前では絶対に言えないけどね

「ごめん、お待たーー…」

どきりとした

貢の方に目をやると、感情の無い冷めた顔をしていて

「み…つぐ…?」

恐る恐る名前を口にすると、はっとしたような顔をして「帰ろっか」といつも通りの笑顔で言ってくる


その笑顔に安心して、僕たちは一緒に仲良く教室を後にした



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