【BL】君の描く世界
「…っ、叶斗!!」
まんまと騙された貢が僕を抱きしめる
好きな訳無いじゃないか
僕は元の貢が好きなんだから
純粋に絵を描く事を楽しんでいた頃の、貢が
「やっぱり気持ちを伝えて正解だったな…。こんなに嬉しい言葉を好きな人の口から直接聞けたんだから」
ちゅっと耳にキスを落とす
あぁ、良かった
何とか機嫌は戻ったみたいだ
「あぁ、でもダメだな」
「え?」
急に低くなった声に驚いてそっと上を向く
そこにはどこか遠くを見つめて、光を失った目をしている貢が居てーーー…
その目が僕をスッと捉える
背筋が凍りつく
抱きしめられているからじゃない
雰囲気に圧倒されて、動けない
「俺以外に相談するなんてダメだよ。叶斗の全部が俺じゃ無いとダメ。俺以外の事なんて全部ダメだよ」
口の端しを少しあげて、妖艶な笑みを浮かべながら僕を見つめる
そんな貢に僕は情けない顔で笑うしか出来なかった