【BL】君の描く世界
授業の終わりを告げるチャイムを合図に、叶斗の手を掴んで教室を抜け出す
「ちょ…鷹…!」
焦る叶斗を余所に早足で歩みを進める
俺たちの足が止まったのはひと気のない第一校舎の一室
ここなら誰もこないはずだ
貢(アイツ)もーーー…
「愛され過ぎてるって、何」
少し震えている叶斗の肩を掴んで問いかける
「鷹…ダメだよ、こんな事したら貢が…」
「今は居ないだろ。なぁ、頼むから俺に教えてくれよ…お前が悩んでる事」
真っ直ぐと目を見て伝える
薄く開いた唇から聞こえて来たのは掠れるような小さな声で
「貢が…僕の事が大好きで…貢以外の事には全て嫉妬するんだ」
「嫉妬?」
復唱したその言葉に、叶斗はゆっくりと頷く
貢以外の事には全て嫉妬?
そんな
そんなもの
「…狂ってんじゃねぇか」
「何、してるの?」