【BL】君の描く世界
分かってたよ【鷹side】
高三になる前の春休み
俺の家に叶斗を呼び寄せた
七回目の誘いでようやく承諾を貰えた
まぁ断り続けていたのもアイツが関わっていたからであろう事は確かだろう
部屋の窓からヒラヒラと舞う桜の花びらを見て、もう春がやって来た事を感じる
また新たな一年が始まる
そう思っていたら、一階にあるインターホンが鳴った
急いで扉を開けに行くと、久々に見る少し痩せた親友の姿があった
「…何か痩せた?」
「家、入って良い?」
俺の問いかけ何て聞こえていないのだろう
切羽詰まった様子で質問し返してくる叶斗に軽く頷いて、家の中へ招き入れた
そのまま二階の俺の部屋へと足を運ぶ
部屋に入ると分かりやすいほどに「はぁ」と息を漏らした叶斗
「鷹の部屋、久しぶりだ」
そう言って笑う様子は、以前と変わらない気がする
でもダメだ
この笑顔は
美しくない