【BL】君の描く世界
非難の声を浴びせられるも、全くといって良いほど動じていない叶斗の姿に思わず笑ってしまう
それどころか口元には微かな笑みすら浮かべている
あいつ…何か企んでるな
そう思った時、新たな人物が姿を現した
「…っ!何でここにあいつが…」
思わず声に出して呟いてしまった
現れたのは
「…俺の叶斗に何してんの」
貢だったから
「ぁ…貢君、違うの、これは…」
貢の姿を捉えた途端、顔色を変えて必死に言い訳を考える女たち
これはもう可哀想だけど、一度こいつに目をつけられたらアウト
この場から逃れる事は出来ないだろう
「俺は言い訳なんて聞いてない。早く答えろ。叶斗に何してたって聞いてんだよ」
うん、これは怖ぇな
俺だったら答えられないかもしれないくらい
そんな中1人勇気ある女子が口を開いた
その勇気が吉と出れば良いけどな
「私たち、貢君の事が好きなの!貢君って皆の人気者なのにいつも隣にはこいつが居るじゃない?だから鬱陶しそうだなと思って、貢君の側から離れるように忠告を…」
彼女の話はそこで切断された
だって首を締められながら話せる人なんて居ないからね
「ぁ…ぐっ…」
「ひぃっ!!」
その光景を目にした周りに居た他の女子たちも恐怖の声を漏らす
「お前今なんつった?叶斗の事をこいつ呼ばわり?叶斗が鬱陶しい?俺の側から叶斗を離れさせる?誰が、いつ、どこでそんな事言った?頼んだ?」
「く…るし…っ…」
「俺は叶斗の為に生きてるんだ。叶斗が居ない世界なんていらない!叶斗だけがいればいい!!!お前らみたいな邪魔者はいらねぇんだよ!!」
「貢やめてっ!!」