【BL】君の描く世界
貢にギュッと抱き付いた叶斗
なんだ
何が起きようとしている
「この人たちは悪く無いよ」
悲しそうにそう口にした叶斗
その言葉を聞いた貢の顔から一瞬で血の気が引いて行く様子が分かった
「…貢?」
「…ら…れが…」
「え?」
「こいつらの中の誰がそんな事を叶斗に言えって言ったんだ」
「ちがっ…!違うよ貢!本当に彼女たちはっ…」
そこまで言って言葉が途切れた
「はっ…ぁ、んんっ…」
代わりに聞こえてきたのは叶斗の喘ぎ声
貢が深い口付けで叶斗の唇を塞いでいるから
「んぁ…っ」
「大丈夫。嘘つかなくても俺は分かってるから」
唇を離し、ゆっくりと彼女たちの方へと顔を向けた貢
「叶斗がコイツらの事が怖くてそんな事言ってるんだって事」
その顔は狂気で溢れていて
「叶斗が怯える存在は全部俺が
消してあげる」
その言葉を聞いた悲劇のヒロインは
美しい笑顔を浮かべていた事に俺は気付いてしまった
「有難う、貢。だーいすき」