ずっと大好き…この恋は永遠…
5..複雑な想い

言葉の真意




「浅井さん指名しちゃいましたっ」


翌日の1時間目、20番車の隣に立った塚越が言った。


よりによって2時間をまたいで続く高速教習…


救いなのは、2人きりじゃないという事だけ。


浅井が塚越ともう1人の教習生から教習手帳を受け取る。


寡黙なもう1人の教習生に不安を覚えつつ、車に乗るように促した。


「鈴木は大学生か?」


塚越とあまり話したくない浅井の質問は、大人しい鈴木という男子に向けられた。


「…はい」


さえない格好に厚い前髪。


その奥に黒縁メガネ…


見るからに話すのが嫌いそうな鈴木に、浅井が小さなため息をつく。



昨日のみのりの態度は明らかにおかしかった。


ずっと持っていた罪悪感が溢れたにしても、何かきっかけがあったはずで…



あの後みのりは何も言わなかったが、なんとなく塚越に関係ある気がしてならなかった。





「じゃあ20分休憩」


サービスエリアに鈴木が車を無事駐車させたのを確認してから、浅井がそう告げた。


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