ずっと大好き…この恋は永遠…




…―――キーンコーン…


教習開始のベルに、浅井がタバコを消して車に向かうと、真夏の太陽が照らしつけてきた。


挑戦的な太陽に顔をしかめた浅井の目に映ったのは…


20番車の隣に立つ、南商の制服をきた女子高生だった。



まるで1年前と同じ光景に、思わず浅井がその女子高生を見つめる。


近づくにつれはっきりと見えてくる女子高生の顔は…

不安げな表情を浮かべる顔が、1年前のみのりに似ている気がした。



「教習手帳貸して」


「はい」



『塚越理恵子』

手帳に書かれた名前に目を落としながら、塚越に車に乗るように促した。


「校外教習2回目ね。

じゃ校内1周してから外出て」


「はい」


最近敬語を使わない生徒が多いせいか、敬語を使う塚越に少し好感を持つ。


南商の制服がやけに浅井の視覚を刺激して、去年の出来事を思い出させる。


初めてのみのりとの教習に、高速教習。

電話での告白に、台風の日の初デート。


楽しい事ばかりじゃなく、辛かった事も…

色々と脳裏に浮かんだ。


そして

幸せな穏やかな今に口元が緩んだ。


当たり前のように一緒にいられる事が、うれしかった。





「就職組?」


緊張してる様子の塚越に話しかけると、塚越が勢いよく頷いた。



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