ずっと大好き…この恋は永遠…



「次、左」


「はい」


スムーズに教習車を左折させた塚越の運転はもう卒業させてもいいように思えた。


いっそ上司に直訴して塚越を早めに…

また変な方向に走り出した思考を軌道修正しながら外を眺めた。


みのりが高校の時にバイトしていた本屋の前を通り懐かしく思っていた時、塚越が話しかけてきた。


「佐倉先輩と…うまくいってるんですね」


みのりの話題に、浅井が全神経を集中させて返事の言葉を探す。


決して荒立てないように。

…だけど真実を誤魔化しても意味もなく。


「…あぁ」


肯定だけに留めた。


「こないだ…佐倉先輩が教習所まで来た時、どこか行く約束だったんですか?」


まっすぐ前を見たまま表情を強ばらせて聞く塚越に浅井が少し黙って…

塚越から目を逸らす。


「いや、あの日はちょっと話して送っただけだったかな…

別にどっか行くためだけに会うわけじゃねぇし」


「…会いたいからって事ですか?」


「…まぁな」


なんでだか気まずさを感じてしまう自分に眉をひそめながら浅井が外を眺めた。


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