ずっと大好き…この恋は永遠…

沈んでいく重い不安




「浅井さんっ」


珍しく声を跳ねさせて浅井を呼んだのはみのり。


19時ジャストにアパートを訪ねてきたみのりに、浅井がドアを開けながら驚いた表情を見せた。


連絡なしの直接訪問。


みのりにしては珍しくて、浅井が思い当たった考えに片頬を上げた。


「ガザ入れ?(笑)

浮気してないか調べに来たんだろ」


そんな浅井にみのりの表情から笑顔が消える。


「…浮気してるの?」


「してねぇよ(笑)

はい、どうぞ。好きなだけ調べろよ」


首を傾げたみのりをとりあえず部屋に入れると、浅井がソファにぼすっと座った。


「つぅか、何疑ってんだよ(笑)」


「え、違うよ!

あ…急に来たから?

ごめんね、連絡しなくて。

あのねっ、今日1件取れたんだ!」


主語のないみのりの話に思考を巡らせていると、うれしそうな笑顔をしたみのりが話を続けた。


「今日南商行ってね、永井先生に預金してもらったんだ。

ノルマ1件達成だよっ」


そこまで聞いてようやく話の全貌が見えた浅井がみのりに微笑む。


「よかったな。

永井って…野球のユニフォーム着た先生?」


浅井の言葉に、みのりが驚いた表情で浅井を見た。


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