ずっと大好き…この恋は永遠…
噂と真実
「塚越、最近おまえばっかり指名するな」
みのりだけでなく、渡辺までもが塚越と浅井の事を気にしていた。
後3分程度で8時間目の教習が始まる。
今日最後の教習。
教官室の窓から外を眺めていた浅井に、渡辺が声をかけてきた。
「指名で給料上がればいいんですけどね(笑)」
誤魔化すように笑った浅井に、渡辺は小さくため息をついてから話し出した。
「塚越がこないだオレに浅井の事を聞いてきたって言ったろ?
やっぱりあいつ、オレ以外にも聞いてたよ。
よりによって田村に聞いたみたいで…離婚した事とか知ってるらしいぞ」
渡辺が『よりによって』と言った田村の口の軽さは教官の中でも有名だった。
『田村に話したら翌日には教官全員が知ってる』
これは教官の中でも暗黙の了解。
「そうですか…」
知っているんだろうとは思っていた。
『佐倉先輩だって奥さんから奪ったんじゃないですか』
塚越がいつかそう言ってきた時から。
別に田村を責めるつもりはない。
どうやっても変えられない事実だから…
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