ずっと大好き…この恋は永遠…



「…もういいよ、浅井さん」


「いいからちょっと黙ってろ」


浅井の真剣な視線の先で、UFOキャッチャーのアームが動く。


1800円目のゲームも見事にぬいぐるみをすり抜けた。


「ねぇ…そんなに欲しい訳じゃないから、もういいよ?」


浅井の袖を引っ張りながら言うみのりに、浅井がしかめっ面を向ける。


「…嘘つくなよ。

これ見つけた時すげぇ欲しそうな顔したくせに。

後1回だけやって取れなかったら…諦めるか」


「……」


結構負けず嫌いな浅井に笑いながら、みのりが視線をケースの中に送る。


人気キャラクターのうさぎのぬいぐるみ。


赤、ピンク、青、黄色、緑と、カラフルなうさぎは、色毎に違う願いが叶うらしい。


「あっ」


みのりの視線の先で、赤と青のうさぎがアームに引きずられて、ポケットに落ちた。


「よっしゃ」


小さくガッツポーズをして喜んだ後、自慢気にみのりに笑いかけた浅井の腕にみのりが飛びついた。


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