ずっと大好き…この恋は永遠…
「えっと…赤は無病息災で青は家内安全だって」
ケースに貼ってある説明書を見ながらみのりが2つのぬいぐるみを見つめる。
「ピンクが恋愛成就か…
まぁ恋愛はもう成就してるから必要ねぇしな。
黄色が金運…どうせなら黄色がよかったな。
つぅか、1つ1000円かかったって事か…
いい商売してるよなぁ(笑)」
「浅井さんが夢中になるからだよ(笑)
でも…うれしいけど。
一つづつ持って帰ろうね」
ニコニコしながらぬいぐるみを抱き締めるみのりに浅井が笑みをこぼした時、みのりのスカートが引っ張られた。
何かと思い下を見ると小さな男の子がいて、みのりを見上げていた。
「どうしたの?」
しゃがんで視線を合わせると、男の子の視線がぬいぐるみに向けられている事に気がついた。
うるさいゲーセンの中で、男の子が口を開く。
「それ…これと交換して?」
男の子が手にしているのは100円玉だった。
幼稚園児だと思われるその子が手にしている100円に、浅井がみのりの隣にしゃがんだ。
「これはオレがこのお姉ちゃんのために頑張って取ったんだよなぁ…
…どうしても欲しい?」
浅井が困ったように聞くと、男の子がコクンと頷いた。
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