ずっと大好き…この恋は永遠…



「入院中って、病気でただでさえ気も滅入ってるのに、慣れない環境に置かれて余計まいっちゃうんだよな…

だからなるべく見舞いに行くようにはしてたけど…

やっぱ心細かったってこないだになって言ってた」


浅井の口から自分の家族の話が出るのは珍しい。


疎遠状態にある中でも、たまには母親に連絡はしているみたいで、みのりも少し安心して微笑む。


「みのりも親大切にしろよ?

当たり前に面倒見てくれるうちは気付かないけど、本当に有り難いもんだから。

…ってオレおやじくさいな(笑)」


「ううん。そうだよね…」


自分の家族は入院した事も大きな病気をした事もないから、つい日常と化している今の落ち着いた生活も、家族なしでは成り立たない。


毎日のお弁当に、制服の洗濯、ぽかぽかの干した布団。


当たり前のようであって、決して当たり前じゃない事。


穏やかな顔をする浅井の横顔に、みのりが微笑んだ。



.
< 152 / 292 >

この作品をシェア

pagetop