ずっと大好き…この恋は永遠…
浅井のカップから香るコーヒーの香りと、みのりのカフェオレの香りが混ざり合う。
冷房の効いた部屋で、カップがどんどん温かさを失っていく。
「塚越が友達とかそんな雰囲気じゃなかったって言ってたけど…
…何もなかったんだよな?」
目を合わせようとしない浅井が何を考えているのか分からなくて、みのりが浅井の横顔を見つめながら頷く。
「ないよ。
悠太とはもう本当に終わってるから…
言わなかったのは変な心配かけたくなかったし、浅井さんが前『聞きたくない』って言ってたから…」
みのりの言葉を疑うつもりはなかった。
きっとみのりが言うとおりなんだと納得できた。
だけど…
どうしても、自分の知らない所で悠太と会っていた事が気に入らなくて…
でも、みのりが何も悪くない事を分かっているだけに、言葉にする事もできずに、ぼんやりとした苛立ちが胸にくすぶる。
「そっか…わかった」
そんな自分勝手な苛立ちでみのりを傷つけないように、浅井ができるだけ落ち着いた声を出した。
静かになってしまったみのりに話しかけようとしたが、どこかで自分の感情が出てしまいそうで、浅井が冷め切ったコーヒーを口に運ぶ。
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