ずっと大好き…この恋は永遠…
7..伝えきれない想い
誰でもない自分
悟が帰ってくるまで、何回もみのりとの会話を思い出した。
『オレだって結婚してたじゃん』
…最低な発言。
みのりが罪悪感を抱えてる事は知ってたのに…
その傷をえぐって深めるような言葉。
そんな言葉を言ったのは、誰でもない自分…
「…―――クソッ」
行き場のない悔しさと苛立ちをテーブルにぶつけると、蹴った衝撃でマグカップが倒れて、入っていたコーヒーが流れ出した。
テーブルを黒くした後、テーブルの端からポタポタと落ち、カーペットに染み込む。
その様子を、ただ何もしないで見ていた。
ポタポタとこぼれ落ちる様子が、さっきのみのりの涙を思い出させて、胸がぎしっと軋むように痛んだ。
「ごめん…」
ごめん。
ごめん…
壁に寄りかかるように座って、みのりの泣き顔に何度も謝った。
嫉妬と苛立ちの矛先をみのりに向けたのは…
みのりを傷付けたのは…
あんなに気を使って警戒していた塚越ではなく…
一時的な感情に捕らわれた自分。
その事実に激しい自己嫌悪が襲ってきて、開いた膝に頭を埋めた。
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