ずっと大好き…この恋は永遠…



「遼にぃさぁ…

みのりちゃんとケンカしただろ」


みのりを送って戻ってきた悟が、ピザのメニュー表を見ながら浅井に声をかけた。


17時20分。


注文するにはまだ早い時間に、悟が一度手にしたケータイをまたテーブルに置いた。


「…別に関係ないだろ」


「関係なくねぇよ。

コーヒーまみれのテーブルとカーペット拭いたのオレだしっ

あの状態でほっとけるなんていつもの遼にぃじゃねぇもん」


「……」


ソファでタバコを吸う浅井が悟の言葉には答えずに、白い煙を吐く。


散らかっているのが嫌いなのに、こぼれるコーヒーを掃除する気にはなれなかった。


結局、悟が帰ってくるまでそのままだったコーヒーは、文句を言う悟の手によってきれいに拭かれた。


「まぁ…ケンカの理由知ってんだけどさぁ」


悟の言葉に、浅井が顔半分だけ振り向く。


悟はテーブルの椅子に座ったままで、手にはまだメニュー表が持たれていた。


「あれだろ?

小田切っち。みのりちゃんの元彼」


悟の口から出た名前に、浅井が眉をひそめた。


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