ずっと大好き…この恋は永遠…



あんなに感情をむき出しにしたみのりは、浅井が記憶してる中では2回目だった。


一度目は…

まだ沙紀が離婚してくれなかった時、みのりが泣くところを見たくなくて、傷つけるのが怖くて、浅井から別れを切り出した時。


その時、別れたくないと泣いたみのり…


『沙紀さんの次でいいから…』

『会うのが面倒なら会えなくても我慢するから…』


涙を流しながら言ったみのりの顔が、あの時の車の中の様子が、今でも鮮明に胸を痛める。




あんなに…

数えきれないほど傷付けたみのりに指輪を渡した時、もう泣かせないと誓ったはずなのに…



『あたしが守りたいのは浅井さんとの関係だもんっ』

『何も分かってない…』

『浅井さんが分かってくれればって…』


先程のみのりの言葉が思い出されて、浅井がぎゅっと口を引き結ぶ。




みのりのためだと考えていた塚越への対応が、みのりを不安にさせて

塚越に聞いた噂に振り回されて、誰よりも守りたかったみのりを傷付けた。


悠太の事だって、永井の事だって、みのりは嘘なんか付いていないのに…


『オレだってしてたじゃん』


ショックを受けたみのりを更に追い詰めた自分の発言に…


自分自身に、本気で嫌気がさす。


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