ずっと大好き…この恋は永遠…



だけど、当の浅井も沙紀もそんな事は感じていない様子で、寂しく感じた自分が子供なのかと少し恥ずかしくなる。



「着いた」


浅井の言葉に、視線を窓の外に向ける。


浅井が車を止めたのは、ショッピングモールの屋上の駐車場。


「少し遠いけど、人混みも嫌だしな」





…―――ドォン…



19時半。

暗い空を彩る明るい花火が上がる。


8月27日。

毎年恒例の町の花火大会。



…―――ドン…



「ううん…

ここからで十分だよ」


去年、一緒に見たいと思っていた事を思い出しながら、みのりが大きな光の花を見つめる。


ふと隣からの視線に気づき、みのりが浅井を振り返る。


次々に上がり花火に揺れる浅井の瞳が、みのりに向けられていた。


「…なに?」


「浴衣が可愛いから見てただけ。

みのりの浴衣姿初めてだし」


じっと見つめる目が優しく細められて、恥ずかしくなってみのりが目を逸らす。


.
< 214 / 292 >

この作品をシェア

pagetop