ずっと大好き…この恋は永遠…



「…あんまり見ないで」


「なんでだよ(笑)」


恥ずかしがるみのりに浅井が笑うと、みのりが膨れて浅井の肩を押した。


「いいから花火見ててっ」


30分ほど格闘してやっと着られた浴衣なのに、意識して見られると恥ずかしくて仕方なくなってしまう。


肩をぐいぐい押してからそっぽを向いてしまったみのりに、浅井が笑みをこぼした。


打ち上げられる花火は、ハートや人気キャラクターの形を描き出す。


視界を覆うほどの大きな花火も、スターマインも、すごくきれいなのに…

すぐ消えてしまう儚さが悲しさを残していく。


「花火って一瞬だからきれいなのかな…」


「まぁ、風物詩とかはその時しか楽しめないからいいんだろうしな」


「じゃあ花火が1年中見られたらきれいじゃないのかなぁ…

そういえば、儚いからきれいなんだって何かに書いてあった」


みのりが花火を見ながら言ったセリフに、浅井がふっと笑う。


フロントガラス越しには、小さい花火が次々に夜空を飾る。


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