ずっと大好き…この恋は永遠…



「詩人みたいな言葉だな(笑)

…儚くなくてもきれいなもんはきれいだと思うけど」


バカにしたように笑った後ぼそっともらした浅井を、みのりが振り返る。


「例えば何?」


「例えなんかねぇよ(笑)

なんとなくそう思っただけ。

一生懸命で必死なら何でも…って、何言わせんだよ(笑)」


うっかりきれい事を言ってしまった照れ隠しに笑う浅井に、みのりがクスクス笑う。


少し遠くに見える花火は、星の輝きをくすぶらせるくらいに明るい。


「みのりは一生懸命だし、なんて言うか…図太いよな」


「図太いって…ほめ言葉?」


口を尖らせながら見てくるみのりに、浅井が続ける。


「いや、ほめ言葉だよ。

みのりはオレなんかよりよっぽど強い。

挫けないし、優しいし…

オレももっと頑張んなきゃなって思わされるよ」


急に言われた言葉がなんだか恥ずかしくて…

みのりがむず痒いような言葉に、巾着の紐を指先で遊ばせる。


紫色をベースにした浴衣に合わせて買った、淡いふじ色の巾着。


.
< 216 / 292 >

この作品をシェア

pagetop