ずっと大好き…この恋は永遠…
「…みのり、ずれてんだけど」
「ずれてないよ?
ほっぺにしたんだもん」
みのりしたキスは、浅井の左の頬に、だった。
唇から5センチほどずれた位置。
「なんでほっぺ?」
「なんか浅井さんが可愛かったからしたくなったんだもん…」
「可愛い〜…?
…大人の男に使う言葉じゃねぇな(笑)」
苦笑いを浮かべながら花火に視線を移した浅井を、みのりが微笑みながら見つめる。
『嫌われたら…』
そんな心配があるのは本当で、きっとそれはずっとなくならない。
だけど必要以上に、過敏過ぎるほどにそれを怖がる自分は…
以前よりもいなくて。
それは間違いなく浅井のくれる言葉のお陰で。
浅井の優しさが、想いの大きさがうれしかった。
「みのり、ここにして?
さっきみたいに」
「…恥ずかしくてできないよ」
浅井が人差し指で指した唇に、みのりが少しだけ頬をピンクに染める。
「しょうがねぇな…」
助手席へと身を乗り出した浅井に、花火が隠された。
…―――ドン、ドォン…
花火の音が、閉ざされた視界に響いて心地よかった。
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