ずっと大好き…この恋は永遠…
「失礼します」
コーヒーの香りが立ち込める職員室には数人の教師がいたが、永井の姿はなかった。
部活に出ているんだろうと、あらかじめ用意しておいたメモと抽選券とポケットティッシュを取り出して永井の机に置く。
そして知ってる教師に会釈だけして職員室を後にした。
外よりは少しだけ涼しい校舎をスリッパで歩く。
ペタペタと音を立てるスリッパに毎回の事ながら恥ずかしくなる。
来た道を戻り正面階段を下りた時だった。
自転車置き場から歩いてきた塚越の姿に、みのりが足を止めた。
塚越もみのりに気付いて、表情を変えて…
目を逸らした。
でも、その足は止まったままで…
不思議に思いながらみのりが見ていると、立ち止まっていた塚越が歩き出した。
…みのりに向かって。
近付いてくる塚越に、少しだけ体がすくみそうになったのを意識して止める。
後ずさりして逃げたいような感情が湧き上がったが…顔を上げた塚越の表情がそれを止めた。
いつかの強い眼差しではなく、気まずそうに歪ませた眉に、少しだけみのりの緊張がほぐれる。
話ができる距離まで来て、塚越が足を止めた。
残暑の厳しい暑い日差しが、2人に降り注ぐ。
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