ずっと大好き…この恋は永遠…



「佐倉先輩が…つらい想いしてきたんだって聞きました。

ずっと、苦しんでたって…

あたし佐倉先輩を越えたいってそればっかりで、佐倉先輩の気持ちなんか考えてなかった。

だけどあたしの言葉に佐倉先輩が傷ついてたって聞いて…

それで初めて自分がどれだけ勝手な事してたか気づきました」


静かな風が、2人の髪を撫でていく。


流れてきた髪を耳にかけながら、塚越が少し微笑んだ。


「やっぱり佐倉先輩には適いません。

あたしは…自分の気持ちばかりで人の気持ちなんか考えられなかった。


…浅井さんにはっきり似てないって言われたら…なんか張り詰めてたのが切れて…あたし何やってるんだろうって…」


「もういいよ…」


塚越の言葉をみのりが遮る。


塚越の打ち明けてくれた思いが、少し分かるような気がしたから…今までを責める事も、自分の想いを主張する事もしなかった。


塚越が反省しているのが分かったから。


「佐倉先輩…本当にすみませんでした」


まっすぐに見つめたままそう言った塚越に、みのりが笑顔を作った。


「うん。もういいから。

…試験頑張ってね」


みのりの言葉に、塚越がほっとしたような笑顔を浮かべて…涙ぐんだ。


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