ずっと大好き…この恋は永遠…
集まっていた人だかりも、事情がわかった途端にはけていた。
春子に顔だけ見せようかとも考えたが、悠太の事を思い出してしまうせいかなんだか気が進まなくて…
とりあえず春子の無事に安心して、沙紀の病室に引き返そうとした時…
バタバタと廊下を走る足音が勢いよく聞こえてきた。
その音に振り返ると、走ってくる悠太の姿が映った。
血相を変えて走ってきた悠太がみのりに気付いて…でも一瞬だけ合った目をすぐに逸らしてみのりを追い抜いた。
その理由に気付いたみのりが悠太を追いかけるように声をかける。
「悠太っ
おばさん大丈夫だから!
ただの機械トラブルだから!」
みのりの声に、悠太の足が止まって…振り返る。
「え…?」
「…大丈夫だから安心して?」
それだけ言って微笑んで見せると、悠太も少しだけ安心した表情をして、ゆっくりと病室に入って行った。
その後ろ姿が、やけに小さく細く見えて…
みのりが表情を歪めた。
青い顔をして必死に走ってきた悠太の顔が頭から離れなくて、喉元を掴まれたように苦しい。
ここに来るまでの悠太の気持ちを思うと、苦しくて苦しくて…
なかなか戻ろうとしない眉間のしわを手でぐりぐり直しながら、沙紀のいる病室に戻った。
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