ずっと大好き…この恋は永遠…
そんな事があってから10日。
みのりのため息が、静かな銀行のロビーに響いていた。
「佐倉さん悩み事?」
隣の席から聞いてきたのは、みのりの指導係の斎藤だった。
ハキハキしていて話しやすい斎藤とは、仕事帰りにご飯に行ったり、更衣室で長い間話し込んだりと仲良くさせてもらっていた。
「はい…」
「なになに?彼氏の事?」
楽しそうに聞いてくる斎藤に、みのりが苦笑いを浮かべる。
営業係が使う伝票作りをしながら、みのりがゆっくり口を開いた。
「ここ1週間くらい…なんかあまり連絡取れないんです。
電話とかメールが返ってくるのも夜中だし…
今までこんな事なかったのに…」
みのりが伝票を見つめながら呟くように言った言葉に、斎藤が目を輝かせた。
「それってもしかして浮気?」
「…なんでうれしそうなんですか。
それに浮気なんかじゃ…」
「でも佐倉さんと彼氏、今まで仲良すぎたからなんかその反動的な感じでハメを外すみたいな…」
人を…と言うよりはみのりをからかうのが好きな斎藤に、みのりが口を尖らせる。
悪気がある訳ではなく、本当に浮気だとも思っていない斎藤は、ただ面白がっているだけで、こんな斎藤にももう慣れていた。
だけど1度や2度じゃないだけに、みのりも負けじと反撃に出る。
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